Java テスト ツール: テスト ケース作成のベスト プラクティス 10

もしJava がなかったら今日のビッグ データや機械学習プロジェクトがどのようになっていたかを想像するのは困難です。それまでのコンパイル言語では普通は利用できなかった動的な機能を提供するためにJavaが設計されてから25年以上が経ちました。今では、バックエンドおよびフロントエンドの開発プロジェクトで最も広く利用されるサーバーサイド言語の1つです。

規模の大きいアクティブなコミュニティを持つJavaは、長年にわたって世界で最も人気のあるプログラミング言語トップ3以内のポジションに居ます。Javaがこれほどの成功を収めているのは、その技術規格が発展し続けているからであり、Javaは手ごわい競争相手もなく、人気を保ち続けるでしょう。

ソースコードの開発段階でインフラストラクチャの問題を突き止めて修正できれば、問題を解決し、コードの機能と品質を改善する圧倒的に効率とコスト効果の高い方法になるでしょう。広く利用されているテスト手法のいくつかを採用することによって開発段階でコードの問題を解決できるなら、なぜテストに十分な予算やリソースを割り当てないのでしょうか。

この記事の内容

  1. Java開発のエキスパートになろう — テストの方法を学ぶ
  2. なぜプログラマーはJavaのテストを学ぶべきなのか?
  3. Javaのテスト手法
  4. なぜ単体テストがそれほど重要なのか
  5. Javaの単体テストフレームワーク
  6. JUnitテストケースの作成方法
  7. 自動化で単体テストがもっと良くなる
  8. AI でJavaテストをよりシンプルかつ容易に
  9. Javaのセキュリティテスト
  10. Java テストに関する最終考察

Java開発のエキスパートになろう — テストの方法を学ぶ

ソフトウェアテストおよびテストフレームワークに関して卓越した知識があるかどうかが、コーディング初心者とJava開発のエキスパートを分けます。すべてのソフトウェア開発にとって市場への投入の速度が重要である以上、テストが遅れの原因になってはいけません。テストに際しては、常に品質とスピードのバランスの問題があります。多くの若い開発者たちは、初めて大きな仕事に就くと早々に、Javaのテストが最初に与えられるタスクの1つであることを学びます。残念ながら、ソフトウェアテスト、特にJavaのテストについては、学校では教えられていません。つまり、若い開発者はソフトウェアテストの作成と実行方法を大急ぎで学ばなければなりません。

Javaのテストは新人プログラマーにとってはつまらなく、経験を積んだ開発者には面倒なものかもしれません。若い開発者は、特にドキュメントがなかったり不安定だったりするレガシーコードを任された場合、コードが何を実行するよう設計されているのかを理解できないことがあります。テストには抽象的思考が大いに必要であり、テストの作成および修正には時間がかかります。テストの経験がそれほどない若い開発者にとって、これは難題です。また、コードの何かが動かない理由として、あまりに多くのシナリオが考えられ、バグがどこにあるかを究明するのに何日、あるいは何週間もかかる場合があります。

経験を積んだ開発者も、同じ理由でテストを実施するのを好みません。彼らは新しい機能を実装することのほうにはるかに大きな興味があります。なぜなら、単純にそのほうが面白いからです。また、大量のコードには長いテストのシリーズが必要であることを知っています。完全なテストスイートを作成し、実行するには、何日、あるいは何週間もかかる場合があります。

プロセス全体は手に負えないものになるかもしれません。Parasoftのソリューションアーキテクトがサンプル付きのソフトウェアテストチュートリアルでソフトウェアテストをかみ砕いて説明しています。

テストケースの書き方: サンプルとチュートリアル

このブログ記事では、テスト手法に関して開発者が抱くことが多い質問に答えています。

  • テストケースとは
  • テストスクリプトvs.テストケース
  • さまざまなテストケースのタイプ
  • ソフトウェアテストケースの書き方
  • 標準的なテストケースの形式
  • テストケース作成のベストプラクティス
  • テストスイートvs.テスト計画
  • テストケース作成ツール

新人開発者もベテランも、テスト作成のベストプラクティスやテストケースの標準的なフォーマット、テストケース作成ツールなどについて学ぶことができます。私たちは開発者がソフトウェアテストの素晴らしさを受け入れ、テストが深刻な時間とエネルギーの浪費ではなく、より興味深いタスクになることを願っています。

なぜプログラマーはJavaのテストを学ぶべきなのか?

エラーはいたって無害な場合もありますが、深刻な結果をもたらすことも多くあります。エラーを無視することはできません。ありとあらゆる可能性が存在するため、何が動作していないのかを判断するのは大変な場合があります。コードの更新があったのに最新のバージョンで作業していない可能性がありますし、サードパーティの依存先がシャットダウンしているかもしれません。バックグラウンドのアプリのせいでテストが失敗するかもしれません。こういったことはすべて新しいテストに影響を与え、エラーを解決するのに何日、ときには何週間もかかる可能性があります。

ベストプラクティスに従っていても、思いもよらないことが起こる可能性があります。これ以上ないほどささいな点に全力で注意する必要があります。全力で注意している間に何か問題が起こるほうが、ソフトウェアテストを管理するのがはるかに容易です。悪魔は常に細部に宿ります。たとえば、アプリケーションが起動しなかった場合、設定したエラーメッセージで通知されるのでわかります。アプリケーションにモック化された依存先モジュールがある場合、ログやターミナルにエラーメッセージが表示されます。繰り返しますが、すべては細部に宿ります。

可読性の高いテストコードを構築し、維持すると、良好なテストカバレッジを確保でき、開発後の機能拡張でコードが壊れるのを避けることができます。近道はありませんが、Javaのテストをより容易に、有効に、そして全体として効率的にできます。

Javaのテスト手法

Javaアプリのテスト方法はいくつかあります。

  • ベンチマークはコードの効率を測定します。
  • インテグレーションテストはモジュールのグループあるいはアプリケーション全体の互換性と一貫性をチェックします。
  • プロトコルテストはさまざまなプロトコルをテストします。
  • ミューテーションテストはコード内で不足しているテストを発見します。
  • データベーステストは特にスキーマ、セキュリティ、パフォーマンスをテストします。
  • パフォーマンステストはストレステストとも呼ばれ、アプリケーションがどの程度の負荷を処理できるかを判定します。
  • セキュリティテストはセキュリティプロトコルの脆弱性をテストします。
  • UI(ユーザーインターフェイス)テストは多くの場合、QAエンジニアによってテストされます。
  • 単体テストはアプリケーションの各関数が特定の入力に対して正しい値を返すことを検証します。

次の4つのテストは、多くの場合、他のテストよりも重要だとみなされます。

  1. 単体テスト
  2. インテグレーションテスト
  3. インターフェイステスト
  4. セキュリティテスト

単体テストとインテグレーションテストは最も重要なテストです。この2つは、すべての機能を独立してテストすることを可能にします。これはJavaのテストにとって重要です。なぜなら、これらのテストはソフトウェアが失敗しないかを判断する最良の方法だからです。セキュリティテストについては他のセクションで説明します。

なぜ単体テストがそれほど重要なのか

なぜテストを実施するかという根本的な理由は、エラーを見つけるためです。コードの特定の部分にあるエラーを見つけるほうが、アプリケーション全体のどこかにエラーがあることを見つけるより良いということに誰も異論はないでしょう。つまり、エラーがどこにあるかを見つけるには、深く掘り下げる必要があります。それには何日、何週間、ときには何か月もかかるかもしれません。単体テストを実施する理由は、コードを分離してエラーの発見と修正を行うためです。結果として、より信頼性が高くバグの少ないコードの開発につながります。

単体テストはすばやく実行できます。新しい機能を追加するにあたって、古いコードを更新しなければならないことはよくあります。新しいコードに対してテストを実行することで、新しいコードが古い機能を壊していないかを判断できます。

単体テストを分離してテストできなければ、知らない間に何かが変わっている可能性があります。新しいテストは失敗し、理由はわかりません。単体テストの作成が困難であるとすれば、それはテストではなく、ソフトウェア自体の問題である可能性が高いでしょう。新しいテストの作成には時間がかかりますが、ソフトウェアが設計されたとおりの処理を行うよう開発時に保証するためにできる特に優れたことです。

Javaの単体テストフレームワーク

テストフレームワークは、プログラマーが単体テストを作成し実行するのを支援するソフトウェアツールです。テストフレームワークは、テストの基盤とともに、テストを実行し結果をレポートする機能を提供することで、Webアプリケーションの構築方法を標準化します。簡単に言えば、テストフレームワークはプログラマーの人生を格段に容易にします。

単体テストフレームワークは事前に用意されたコードを提供し、多くの場合はツール、ライブラリ、コンパイラ、APIを含みます。JUnitは最も広く採用されているオープンソースの単体テストフレームワークです。TestNGはもう1つのよく使われているオープンソースの単体テストフレームワークであり、その他にもっと目的が限定されたフレームワークも数多くあります。他のよく使われるフレームワークには以下のようなものがあります。

  • JBehave
  • Serenity
  • Selenide
  • JWebUnit
  • Gauge
  • Geb
  • Spock
  • Mockito
  • PowerMock

JUnitテストケースの作成方法

Javaのテストを実施する場合、ソースコードに対してテストケースを作成します。さまざまなパラメータを使用してテストケースを実行し、あらゆる可能なシナリオでコードが動作することを確認します。Javaのテストは、アプリケーションのあらゆる側面をテストできる機能的で徹底したテストケースを提供します。

テストケースとは、まさに文字通りのものです。複数のアクションまたは条件にわたる機能を測定するテストシナリオで、期待された結果を検証するものです。JUnitは繰り返し可能なテストを作成するためのシンプルなフレームワークです。JUnitはテスト駆動型開発で最も広く利用されている重要なテストフレームワークの1つであるため、ここで取り上げる価値があります。

Javaの初心者はコードの書き方を学ぶとともに、効率的であること、またテストケースを最適化することを学ぶ必要があります。テストケースなしにコードを作成した場合、品質を制御できません。テストコードはアプリケーションが期待通りに動作するかを検証するために作成されます。テストケースを作成したら実行し、結果をチェックしてコードの動作を確認します。

テスト駆動型開発では、コードを作成する前に単体テストを作成し、実行する必要があります。コードを作成したら、すべてのテストを実行し、コードがテストに合格する必要があります。コードを追加するたびにテストを実行し、何も壊れていないことを確認します。

JUnitはタイムアウトのために@After, @Test(timeout = 1000) などを使用します。それによって複数のテストを同時に実行し、テストからどんな例外がスローされたかをチェックし、パラメータ化テストを完了することが可能になります。実行に指定された以上の時間がかかっているテストを数ミリ秒以内に終了させることもできます。他のJUnitテストアノテーションを使用して、ユーザーは思い通りにテストを設定し、セットアップできます。

単体テストのベストプラクティスチートシート

単体テストのベストプラクティスに関する簡単なチートシートは次のとおりです。

  1. テストを作成する。
  2. テストの方法を決定する。
  3. パラメータを決定するため、ベースラインテストを完了する。
  4. テスト要件を満たすテストメソッドを作成する。
  5. テストを実行し、正しく実行されることを確認し、意図される出力を判断する。
  6. 実行の成功を確認する。すべての行がカバーされたこと、またすべてが実行されたことを確認する。
  7. 次のメソッドに移る。

プログラムの機能が完成するまで上記のステップを繰り返します。

JUnitチュートリアル:Javaユニットテストのセットアップ、作成、実行

JUnitチュートリアルでは、テストの実行、レグレッションテスト、JUnit4、JUnit5、JUnitの仕組み、コマンドライン、IDE (EclipseおよびIntelliJ)、ビルドシステム(MavenおよびGradle)を使用したJUnitの実行方法について学びます。

自動化で単体テストがもっと良くなる

スピーディで効率的な単体テストの鍵は自動化です。自動テストツールはサイクル後期での欠陥を減らし、開発者が新機能の開発に集中できるよう支援します。開発者は簡単に単体テストを生成、強化、再利用できるほか、テストの実行を最適化して単体テストに関わる時間とコストを大幅に削減します。つまり、何週間や何か月ではなく、何時間かでテストを実行できます。このように自動化によって単体テストをすばやく実行できると、ベストプラクティスとして採用し、企業全体にスケールアップすることが可能になります。プロジェクトマネージャーはコーディング標準のガイドラインおよび統計的品質制御基準を設定できます。Javaプロジェクトのテスト実行がより統一され高速になります。

AI でJavaテストをよりシンプルかつ容易に

自動化された人工知能(AI)は、ワンクリックの自動JUnitテストケース作成機能によって単体テストを作成する力を与えます。この機能により、継続的インテグレーションプロセスにテストをシームレスに統合できます。単体テストアシスタントは、インテリジェントなレコメンド機能によって自動的にコードの挿入をガイドします。

モックは低速だったり利用できなかったりする依存先を置換できるようにする機能です。モックによって単体テストが大幅にスピードアップします。単体テストに対するAIを利用したアプローチによって、モック可能なオブジェクトに関するアラートを受け取り、即座にオブジェクトをモック化できます。

AIはテストのスケールアップにも役立ちます。単体テストの一括作成機能は複数のテストを即座に生成します。パッケージまたはプロジェクト内の複数のクラスに対してテストを作成します。コードカバレッジの増加はJUnitでのテストにおいて重要です。テストケースのパラメータライズによって、アプリケーション内のさまざまな変数やコードパスをテストできます。

テストの実行に関しては、AIはすべてのテストの実行をモニターし、テストの安定性や設計を向上させます。安定した予測可能なテストスイートを維持すると、多大な時間を節約できます。

これらのAI機能は簡単に利用でき、単体テストの作成からメンテナンスまでの時間や労力を50%以上削減します。AIを利用すると、より簡単に単体テストのベストプラクティスを採用できます。新人開発者もテスト関数をより理解できます。熟練したテスターは、意味があり、有効なアサーションによってコードの真の機能を検証するテストをより短い時間で作成できることを歓迎するでしょう。

Parasoft JtestはアクティブなJava開発とレガシーコードのための自動単体テストソリューションであり、AI機能を備えています。JtestはJUnit、Mockito、PowerMockなどのオープンソース技術を利用し、たいていの開発環境に適合します。ベンダーに囲い込まれたソリューションではないため、導入、統合、スケールアップが容易です。

Parasoft Jtestの動作をご覧になりたい場合、デモをリクエスト
 

Javaのセキュリティテスト

アプリケーションが可能な限り堅牢であることは重要ですが、セキュリティもアプリケーションの成功にとって重要な鍵です。Parasoft Jtestはセキュリティ標準を開発プロセスに統合し、OWASP、CWE、CERT、PCI DSS、その他多くへの準拠をチェックします。 JtestはIDE内で、またはビルド時にインテグレーションサーバー上で静的テストを適用し、開発ライフサイクルを通じてコンプライアンス脆弱性を発見できます。レポート作成、監査、継続的フィードバック機能によってコンプライアンス状況のリアルタイムでのビューを提供します。

 

Java テストに関する最終考察

ビジネスロジックに応じて開発者がカスタマイズできる自動化されたスケルトンテストや、必要な他のテストのためにレコメンデーションを作成するテストシナリオは、テスト作成のために必要な時間を劇的に短縮します。すべてのテストを総合したカバレッジを取得し、テストがないコードを把握することが重要です。また、変更が既存のコードを壊していないことをレグレッションテストによって確認すると良いでしょう。

自動テストを利用すると、数週間あるいは数か月ではなく数時間でテストを実行できます。もっとアジャイルになれるよう支援するツールを利用すると、テストにかかる時間を大幅に短縮することにもつながる可能性があります。チームのテスト結果が思わしくない場合、テスト計画を作成し、このブログ記事の中で役に立つと思ったヒントを取り入れます。管理層やソフトウェアチームリードの所へ計画を持って行き、組織全体で導入できるベストプラクティスを確立するためのインフルエンサーとしてふるまいます。

Javaのテストは、JUnitのテストケースを作成する場合でも、次のJavaプロジェクトに新しいテストアノテーションを適用する場合でも、開発プロジェクトの機能を改善するだけでなく、貴重な時間を節約します。ソフトウェアテストの最も重要な結果とは、プロジェクトの全体的なROIの向上であるかもしれません。

テスト時間を数分あるいは数時間に劇的に短縮できるかどうか試してみましょう。Java開発者のためのヒントとベストプラクティスについては、ParasoftのeBookをダウンロードしてください。

(この記事は、開発元Parasoft社 Blog 「Java Testing Tools: 10 Best Practices for Writing Test Cases」2021年5月27日の翻訳記事です。)

Parasoft Jtestについて

Java対応静的解析・単体テストツール Parasoft Jtest

Jtestは、テスト工数の大幅削減とセキュアで高品質なJavaシステムの開発を強力にサポートするJava対応テストツールです。1,000個以上のコーディング規約をもとにソースコードを静的に解析し、プログラムの問題点や処理フローに潜む検出困難なエラーを検出します。さらに、JUnitを用いた単体テストについて、作成、実行、テストカバレッジ分析、テスト資産の管理といった単体テストに係る作業をサポートし、単体テストの効率化を促進します。

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