DTPとは何か、そのパワーの秘密

(この記事は、開発元Parasoft社 Blog 「What is DTP, and why is it so powerful?」2018年1月18日の翻訳記事です。)

Parasoftのウェブサイトのリニューアルに取り掛かった私は、そのとき初めてParasoft DTP *という怪物級に価値のあるソフトウェアを発見しました。そして、ここ最近、この信じられないほどに強力なテクノロジーについて、みなさまにしっかりとお伝えしていなかったことにも気づいたのです。そして私は決心しました――今こそDTPを表に出すべきだと。

* DTPは何の略かと疑問に思いましたか?実は……何の略でもありません。本当のところ、以前は別の意味がありました。製品が命名されたとき、DTPはDevelopment Testing Platformの略語でした。しかし、製品が進化を遂げた今では、私たちは長い名前を廃止し、イニシャルだけを使用しています。失望させてしまって申し訳ありません。

ところで、開発テストプラットフォームではないなら、DTP とは何でしょうか?

そう、実は、DTPはとてもすばらしいレポート作成および分析ツールなのです。それで私はこのブログ記事を書くことにしました。

DTPの何がそれほどすばらしいのか

まず基本から始めましょう。Parasoft DTPは、静的解析ツールや他のテスト解析製品から想像されるレポートやダッシュボードツールよりも、はるかに強力です。DTPは、ソフトウェアテストのレポート作成と分析からあなたを開放します。

どうしてそんなことが可能なのでしょうか?それは、キャプチャするデータの細かさと、あらゆるテスト手法(静的解析だけでなく手動テスト、自動機能テストなど)のあらゆるツール(Parasoft製品だけにとどまらず、使用している他のツールも)からデータを取得できるという事実によります。また、柔軟性とカスタマイズ性に非常に優れているので、欲しいデータを何でも測定して、ある時点や、複数のビルドにわたる期間のコードベースの健全性を包括的に理解できます。そして最も重要なこととして、品質を向上させるために限られたリソースをどこに集中的に投下するべきかをすばやく把握するのに役立ちます。

簡単にまとめるなら、以上で述べたことに尽きます。

単なるレポートとダッシュボードの先を行く

単なるレポートとダッシュボードの「先を」行くというのはどういう意味でしょうか?

DTPは次の5つの点で、ユーザーを今の地点よりも先に連れてゆき、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体で利用できる強力な手段をもたらします。

ではその 5 つを順次見ていきましょう。

1 – DTPが収集するデータ

DTPは、あらゆるテストプラクティスの膨大な量のデータをキャプチャします。これはまったく前例のないものです。静的解析およびコードメトリクスだけでなく、ユニットテスト、機能テスト、手動テスト、コードカバレッジ、およびコードレビューも含まれます。これらのデータをすべて集約して、テストの結果を包括的に表示します。

データがすべて集約されるだけでなく、詳細なデータが収集されるため、高度な計算と洞察、柔軟性と無限のカスタマイズ可能性、大量の履歴情報の保存を実現します。たとえば、DTPはテスト実行に関して詳細なデータを保存しているため、特定のファイルに対して実行されたテストを示すことができ、コードカバレッジの目標を達成するのに役立ちます。

2 – データをナビゲートする方法

テストデータを収集した後、DTPはこれらの結果を参照し、分析するためのインタラクティブなフレームワークを提供します。DTPの各レポートはカスタマイズ可能なウィジェットで構成されていますが、その中の1つをクリックすると、DTPの「エクスプローラー」に移動します。エクスプローラーは、テスト データを探索し、コードベースの変更がコード品質をどのように変化させているかを理解するために利用できるインタラクティブなUIです。

DTPには、以下のようなエクスプローラーがあります。

  • 変更エクスプローラーを使用すると、2つのビルドを比較して、どのファイルが変更/編集/削除されたか、どの静的解析違反がどの変更に関連しているかを把握できます。
  • コードカバレッジエクスプローラーでは、すべてのテストプラクティスから収集されたカバレッジを参照し、コードに対して実行されたテストにまでさかのぼるトレーサビリティを実現できます。
  • 違反エクスプローラーでは、MISRAルール違反などのエラーレポートを履歴情報、ドキュメント、違反の詳細などとともにソース コードと関連付けて表示できるため、すぐに問題を特定して修正のワークフローを開始することができます。

3 – DTPがSDLCワークフローを簡素化する方法

これはワークフローに関連する機能です。エクスプローラーでデータをより深く調べていくと、エクスプローラーは行動を起こすためのフレームワークにもなります。DTPのエクスプローラーは、既存のソフトウェア開発ツールに統合されているため、チームのアクションを定義できます。たとえば、 JIRAでタスクを作成し、優先度、割り当て、その他のコンテキスト情報などを定義するカスタムメタデータを追加して、ワークフローを拡張することができます。

ワークフロー管理システムにDTPを接続すると、どのような行動を取る必要があるかを理解するのと同時に行動を起こすことができます。

しかし、これらのエクスプローラーや結果として得られるワークフローと同じくらいに強力なのは、背後にあるデータおよび分析機能です。ここで PIE の登場です。PIEについては、一般的な果物入りデザート、さもなければ高い評価を得ているProcess Intelligence Engine(PIE)としてご存じでしょう。PIEは高度な分析と「派生メトリクス」を計算します。真のインテリジェンスでDTPをパワーアップし、テストを支援します。

これは次の4番につながります。

4 – DTPで実行できる分析

DTPはPIE(Process Intelligence Engine)を使用して、非常に柔軟な分析に基づいた実用的な洞察を提供します。DTPには、PIEの「スライス」(お分かりでしょうが、ちょっとしたシャレです)と呼ばれる計算が事前に設定されています。これは、テスト プラクティスとその後の意思決定に力を与えるインテリジェントな分析です。

事前設定されたPIEスライスには、次のようなものがあります。

  • Test Stability Reporting – 不安定要素を逐一調べる代わりに、コード内にある本物のレグレッションをすばやく特定して優先順位を付けるのに役立ちます。
  • Change-Based Testing – コードの変更に関連するテストだけを再テストできるようにします。
  • Modified Coverage – レガシーコードを含む全体的なカバレッジではなく、変更されたコードのカバレッジだけに集中することを可能にします。
  • Risky Code Changes – 他のコード変更よりリスクが高い変更に注意を促します(また、「リスク」の定義をカスタマイズすることもできます)。

事前設定済みのDTP PIEスライスを使用すると、開発チームを重要な作業に集中させるためのキーとなるデータを提供でき、それだけでもじゅうぶん優れたパワーと洞察を得られます。しかし、さらにすばらしいのは、独自のPIEスライスを作成して、どのようなものでも思いつく限りの分析を実行できるという点です。フレームワークは完全にカスタマイズ可能なので、任意の方法で拡張することができます。

5 – DTPがコンプライアンスとポリシーの推進にどのように役立つか

さて、5番目の項目になりました。これは、通常であれば特筆すべき点とは言えないのですが、DTPが自動化と効率化という形でコンプライアンス/ポリシーの推進にもたらすメリットは大きく、結果として、DTPがどのように「先を行っている」のかを示すこのリストの5位に、コンプライアンス/ポリシーの推進に関する機能が確固とした地位を占めることになりました。

DTPは、ポリシーの確立と実施のための専用モジュールであるPolicy Centerを備えています。このPolicy Centerは、 プラクティスのしきい値、集約されたポリシー、および品質ゲートを整理された状態に保つのに役立ち、これらはCIパイプラインの一部として照会できます。

コンプライアンス面では、DTPはデータ収集を集約化(上の項目1を参照)するため、どのようなコーディング規約や規則に準拠する必要がある場合でも、ソフトウェアテストの管理と監査を一元化する中心的な場所として利用できます。DTPには3つの大きな利点があります。

  1. コンプライアンスパック(MISRA、CWEなど)には、ダッシュボード用の設定済みウィジェットや設定済みのレポートが含まれ、コンプライアンスと監査を大幅に簡素化します。
  2. 静的解析からデータを取得し、解析を再実行せずに規約の観点から結果を表示できます。
  3. 特定のビルドが認証を受ける準備ができたら、テスト実行からすべてのデータをアーカイブし、認証が完了したらビルドをロックすることができます。

なぜDTPは表に出ていなかったのか

正直なところ、私たちはDTPがどれほどすごいかについて、じゅうぶんに語ってきませんでした。Parasoftの開発者たちは、私が上で説明したようなすばらしいPIEスライスを作成しました。私たちはスライス自体のすばらしさに興奮しすぎて、ひそかにどんなことが起こっているのか、どんなふうに利用できるかを、みなさまにお伝えするのを忘れていたのです。

ですから、ぜひお問い合わせください。そして実際にDTPを使ってみてください。

Parasoft DTPは、まだ活用されていない価値ある機能の宝庫です。そこには、すぐに利用できる分析の世界が待っています。

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